
サミーはやっと気持ちが落ち着いてきました。
謎のメッセージはそれほど大変なことではなかったようです。
サミーが固まっているのを見た店長さんが、操作を教えてくれました。
そして店長さんがちょっとマウスを操作するだけで、あっという間にメッセージは消えてなくなったのです。
手品でも使ったのでしょうか?
そういえば店長さんはちょっと怪しげな雰囲気を漂わせています。
「それではお客様、あらためてご説明いたしましょうか」
店長さんは奥の方にサミーを連れてゆき説明を始めました。思ったとうり専門用語がどんどん出てきます。サミーは辛抱強く聞いていましたが、いつまでも続きそうなので「ぼくはインターネットしたいんです、あのパソコンはいくらですか?」とダイレクトにたずねてしまいました。
すると一瞬の間をおいて、店長さんがにやりと笑うのです。
「インターネットするなら、メモリもディスクも増設すべきでしょう」
サミーも自信なさそうにうなずくと
「メモリもディスクも増設して金貨30枚、これはお買い得ですよ」
店長さんは自信満々にそう言いました。
うぅーん、金貨30枚というとこれは大金です。
ぶたの貯金箱、あの中には金貨が何枚入っていたっけ?
サミーは自分の貯金でパソコンが買えるか不安になってきました。
-第4回目を振り返る-
この回で初めてパソコンショップの店長さんが登場します。
ねずみの森のキャラクターたちは、人間でいうと少年と青年の間ぐらいの年ですが、店長さんは少し年上。色々と謎のある過去を持っています。
今はパソコンショップの店長ですが、昔は色々なことをしていたようです。後半の方では意外な特技も見せてくれます。
この回で初登場した時は「少し胡散臭い商売っ気のあるねずみ」という設定だったのですが、まわりのねずみがみんなお人好し(おねずみよし?)なせいか、だんだん呑気な性格になったような気がします。連載が進むにつれて、僕の気持ちとは関係なくキャラクターの性格がどんどん変わってゆくのは不思議な体験でした。
「金貨30枚」はちょっと高いんですよ。店長さんはもしかしたらふっかけてるのかもしれません。でもサミーは買うしかないと思っているので、ぶたの貯金箱をとりに帰るんですね。
そして次回、サミーは生涯の仲良しとなるねずみと出会います。