
「では、始めるかな」
と言ってナーザビはマラカスを取り出しました。
いったい何が始まるのでしょうか。
「ねぇナーザビさん、そのマラカスは何?」
ナーザビは電源スイッチをよいしょと押しながら、こう答えました。
「やっぱりこういうことはリズムがなくっちゃね」
しゃか、しゃか、しゃかしゃかしゃかしゃか
ナーザビはマラカスを振り始めました。なかなか上手です。
サミーと店長さんが見ていると、ナーザビはキーボードにのって、踊るようにステップをふみ始めました。
最初はゆっくりと、そしてだんだん素早く小さい体がキーボードの上で踊っています。
そのステップはとても的確にキー入力を行っているようです。
店長さんはがく然としていました。
「そ、そんな、カエルがパソコンを使うなんて…..」
ステップに誘われるように、サミーが見たこともない画面が出てきました。
なんだかナーザビはとても難しい操作を行っているようです。
数分後にはパソコンは完全に直ってしまいました。
サミーはすっかりうれしくなって、拍手喝采です。
「すごい、すごぉーい、ブラボー」
でも、店長さんが肩を落としているのに気付き、ちょっと声を小さくしました。
ナーザビは得意満面です。
「どう?、直ったでしょ。それでさぁ….」
店長さんは、あきらめたようです。
「私も、約束はきちんと守ります、パソコンは差し上げましょう…」
サミーはパソコンを直してくれたお礼に、ナーザビの家までパソコンを運んであげることにしました。
2匹が帰った後で、店長さんはレジに張り紙をしました。
「パソコンの持ち込み修理は、お断りいたします」
張り紙にはそう書かれていました。
-第17回目を振り返る-
カエルのナーザビは、この月のエピソードで初登場し、その後レギュラーのキャラクターとなります。得意なことはパソコンとマラカス。
サミーのパソコンを直してあげたことがきっかけで、サミーと仲良しになるのですが、店長さんやロジャーとはあまり仲が良くありません…
ナーザビはサミーのモデルデータを元に、メタボールのウェイトを変えて出来上がりました。今進めているリブートの方でもナーザビを登場させたいのですが、モデリングが大変なので、まだ手をつけられていません。
ねずみ以外のキャラクターが現れて、お話が少しにぎやかになってきました。ねずみたちは基本的にのんびり屋さんが多いので、ナーザビのような気が強くてちゃきちゃきしたキャラクターは、ちょど良いスパイスになったのかと思っています。