最後の決闘裁判 21/10/31

ユナイテッドシネマで最後の決闘裁判を観る。
1日1回の上映となってしまい、朝08:10の回で観る。

DUNEから1週間経った。
コロナ禍でずっと映画館には行けなかった2021年だが、残り2ヶ月でできるだけ映画館に行ければと思う。

何かと話題の映画である。登場人物三人の視点から、三幕構成で同じ場面が繰り返される。それぞれの視点によって、微妙に場面の意味合いが変わってくる。
アダム・ドライバーとマット・デイモンは、当時の男性がそうであったように、女性を所有物(誰かの物)のようにしか見ていない。愛だ名誉だと言っても、それは自分に都合の良い台詞でしかない。

第三幕、マルグリットの視点から描かれるパートが真実なのだろう。

リドリースコットは八十を過ぎてもまだ健在であった。

今週は寄り道…

昨年から使い始めたBlenderというアプリケーション。
これがなかなか難しい。機能があり過ぎるのだ。

少しでも慣れるため、簡単な物を作りながら勘所を探している感じである。初期ねずみのサミーで使っていたLINKSというアプリケーションも、相当時間をかけて修得したのだが、Blenderもある程度取り回せるようになるには、今年いっぱいかかるのでは?と思っている。今日はダイスを作ってUVマッピングの基本をお勉強する…

さらに時間があったので違う物も作ってみた。

板ポリゴンにディスプレイスマップとバンプマップをあてて地面を作り、アドオン機能で空を作る。ネットでR2-D2のモデルデータを探して、立たせてみる。

R2のモデルデータは「こんなクオリティの高いものが無償なのか」というぐらい細い作りであった。

本当であればサミーのモデルデータを完成させなければならないのだが、今週は少し別の方向からのお勉強となった。

グラビティ繰り返される宇宙…邦題はさておき僕は好き

いきなり「宇宙を舞台にしたSFが観たい!」という気持ちになり、プライムビデオを探したらこの映画にたどり着いた。事前情報全くなしで飛び乗るように視聴開始。

冒頭登場するメカはなかなか好きな感じ。しかしこの時点では、この先何が起こるかはまだ不明である。

調査船に乗り込んだ主人公は、コールドスリープ状態の乗員を覚醒させる。ここからお話しが動き始めてゆく。導入はよくある話なのだが、この辺りで「そうか時間ループ物か」と分かる。繰り返される世界、繰り返される悲劇、主人公はなんでこんなところに来てしまったのか…と思うのだけど、その辺りも少しずつ明かされてゆく。

全体的な色味やウェザリングされた船内の質感が心地よかった。時間ループものなんだけれど、回想部分から少し色合いが変わってくる。これは心が離れてしまった男女の物語でもあるのだ。女優さんはすごく雰囲気のある方だった。回想パートで登場するロボはお約束の台詞。スキンを着用しないドロイドという設定なのね。妙に心に残る造形…

さらに回想パートでは宇宙船内のオフィスも少し描写される。これまた雰囲気が良い。CG感が全面に出てるのだが、個人的に好きな世界なので…

作品は70分ぐらいなので展開が早い。あれよあれよという間にクライマックスである。船外活動の場面が少しあるが、VFXが上手だわぁという感じ。

どうやってこの状況を脱出するのかという興味と、二人の関係は果たして修復されるのかという興味でクライマックに入る。結末は人によって好みがあるだろうが、僕はすっと入ってきた。

クリーチャーが出てくるわけじゃないが、どことなくエイリアン2風味もあり。月に囚われた男やオブリビオンが好きな方にはお勧めしたい。しかしこの邦題はどうにかならぬものかと…

女は女である、そしてフランス映画はフランス映画である

新型コロナウィルス禍で全く映画館にも行けず。2020年の3月はひどい月だ。バンド活動もお休みである。その時間は全てこのWebサイトの立ち上げに使われたので、家で映画を観る時間もあまり取れずだった。

わずかな隙間で観ることができたのが「女は女である」という映画。ゴダールの映画、そして僕が生まれるより前の作品である。僕が劇場で観ることができたゴダール映画は「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」「彼女について私が知っている二、三の事柄」くらい。フランス映画はストーリーというより場面の美しさを観るもの、というのが僕の勝手なフランス映画観である。

主人公はフランスのとあるストリップ・ティーズで踊っているアンジェラという女性。ストリップと言ってもアメリカのポールダンスのようなものではなく、もっと奥ゆかしいというかソフトな感じ。これなら僕も行ってみたいと思うような、雰囲気のある場所である。あんまりいやらしくない。

思い立って「あたし子供が欲しい」となるのだが、この辺りなぜ子供が欲しいのかはあまり語られない。ストーリーは割とどうでも良くって、場面場面の絵の美しさに心が踊る。ストーリーではなく文体で読ませる小説とでも言えば良いのか。

仕事がはねた後、彼女はジャン=ポール・ベルモンドと連れ立って歩く。この辺りの二人のやり取りは、ああフランス映画だわねぇ…という感じ。ちょっと前衛的な雰囲気もあり。アンナ・カリーナのファッションは全編にわたって完璧である。

ジャン=ポール・ベルモンドの少し不良っぽい感じ、身のこなしの柔らかさが印象的であった。この頃二十代後半ぐらい。

アンジェラにはきちんとしたボーイフレンドがいるのだが、子供が欲しいという彼女となかなか気持ちが合わず…しかし最後には子供を作ってみようかとなる。

エンディングはやっぱりフランス映画っぽい。アンジェラがカメラに向かって「私はただの女よ」とウィンクして終わるのであった。誰かが殺されるわけでもなく、カーチェイスがあるわけでもなく、派手な爆発もない。60年代のパリの雰囲気、キュートな登場人物、気の利いたセリフ、それらをのんびりと楽しむ映画である。